校長室から__

学校だより 11月号 「本番に力を発揮できること」 校長 相澤 顕



 10月27日の音楽祭は会場に素晴らしい歌声が響き渡り、生徒の堂々とした姿は見ている来賓や保護者の皆様に大きな感動を与えました。練習段階では、なかなかクラスの気持ちがまとまらず、かなり苦戦しているクラスがいくつもありました。しかし、当日の朝はどのクラスも、仲間と声を掛け合い、音合わせをし、クラスで一つにまとまろうと必死に頑張っていました。そして、ステージに上がると、どのクラスも堂々とした態度で、素晴らしい歌声を響かせていました。クラス全員の気持ちが一つになった合唱から、大きな感動を受けました。本番はとても緊張したと思いますが、本番で力を発揮できることが私は重要だと思っています。東中生が順調に成長している素晴らしい一面を見ることができ、本当に感動しうれしく思いました。



 ところで、私はというと、何とも情けなく、職員合唱のソロの出番を設けてもらったにも関わらず、伴奏や指揮者に合わせず歌い出してしまうという大失敗をしてしまいました。音楽科の金子先生は、私の退職に花を持たせようと思ったのでしょう。私が歌いやすいであろう「海の声」を選び、ソロの出番を与えてくれました。職員も時間をやり繰りして、放課後3回も集まり一生懸命練習してくれていました。それなのに、私はなんだかんだと理由を付けて1回しか練習に参加しませんでした。職員の前で歌うのが恥ずかしかったからなのですが、内心「本番はこのくらいの歌なら、ばっちり歌ってやれる」という密かな自信もありました。そして、迎えた本番があのような失態で、職員には大変申し訳なく穴があったら入りたいと猛省しています。
実は、中学生時代も私は同じような失敗をやらかしていました。中学3年生の音楽祭で、私は指揮者に選ばれました。2クラスしかないので、隣のクラスには絶対勝つと、私のクラスの仲間は大変燃えていました。しかし、せっかく選ばれたにもかかわらず、私は当時大変恥ずかしがり屋で、指揮者になったことで注目を浴びるのが何となく嫌でした。それで、練習には参加せず、個人練習と言いながら練習をさぼっていました。ですから、練習の時はいつも級長や副級長が私の代役として指揮者をやってくれていました。そして結局、最後のリハーサルの時だけしか、指揮をしませんでした。たった1回の練習で本番を迎えました。案の定、指揮とピアノの伴奏が合わず、聞いていた人がざわめく中、合唱発表は終わり、隣のクラスに負けてしまいました。



音楽祭において、練習段階ではなかなかまとまらなかったのに、本番で素晴らしい合唱を披露できたのは、偶然ではありません。本番までたくさん練習してきたからです。「練習は裏切らない」と言われます。私のように努力も練習もしないと、本番で大失敗することになります。これからも「努力・練習を積み重ね、本番で力を発揮できる」東中生であるよう、職員一同精一杯支援していきます。今後も保護者の皆様のご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。


2023年12月10日