校長室から__

学校だより10月号 「優しいけど怒ると怖い・・」そんな大人でありたい 校長 相澤 顕



音楽祭 職員合唱 「海の声」

命の危険さえ感じる酷暑のため、熱中症を避けて10月5日に延期した体育祭でしたが、今度は雨風に悩まされながらも、何とか終えることができました。
こんな最悪な状況でも、保護者、地域の皆様が生徒を温かく見守ってくださり、最後まで熱い声援をいただきましたこと、深く感謝申し上げます。



さて、新人大会の応援のために、各会場を回っていると、我が子の応援に来ている昔の教え子にたくさん会います。中にはやんちゃだった教え子もいますが、みんな立派な親になっています。ある日、病院の看護師をしているという教え子が、こんな話をしてくれました。その教え子は、病院に来た中学生が直江津東中の生徒だと分かると必ず「校長先生はどんな先生?」と聞くのだそうです。すると、どの生徒も「校長先生、優しいよ」と答えるそうです。不思議に思って、「本当に優しいの?」と聞き返してしまうのだそうです。私は教頭時代まで、どれだけ生徒を叱ったか数え切れません。教諭、教頭時代は直接生徒に関わり指導する場面が多く、また、やんちゃな生徒が多かったため叱る指導場面がとても多かったのです。ですから、指導した生徒の中には、私を今も恐がったり嫌がったりしている生徒もいると思います。本当は「優しい先生」と言われて慕われたかったのですが、当時は「厳しい、恐い、嫌な先生」と思われていたことでしょう。



 「優しい先生」「優しい親」・・子どもにとって、そう感じられる大人はとても好かれる存在でしょう。しかし、時には心を鬼にして「怖い先生」「怖い親」でなくてはならない時もあります。「今、ここで厳しく指導したり、叱ったりしなければ、今後この子どものためによくない」・・そんな時にはしっかり厳しい大人でなくてはなりません。「怖い先生」と思われていた以前も「優しい校長先生」と思われる現在も、「今後のこの子のため」という私の子どもへの愛情は同じです。
現在の東中は、落ち着いており、職員が指導する際は、生徒に反省を促し納得できるように語りかけ、説諭しています。ただ、いじめ問題のように、内容によっては優しい指導だけでは対応できないこともあります。そんな時は、「日頃はとても優しいけど怒ると恐い先生」として職員は生徒の前に立ちます。立派な大人に成長するように導くため、「こんなことは絶対許されない」と、心を鬼にして愛情をもって叱ります。以前の私の立場にあるような職員は、「怖い」と生徒に思われているかもしれません。しかしこれは、「今後のこの子のため」という愛情が根底にあるのです。これからも生徒の声に耳を傾け、心に寄り添う指導を大切に、職員一同頑張っていきたいと思います。保護者の皆様、ご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。


2023年10月31日