校長室から__

学校だより9月号 「身をもって知る命の大切さ」 校長 相澤 顕



新人戦 バレーボール大会

今年の夏、これまで経験したことのない猛暑を経験し、改めて思ったことは、生徒の命の安全、安心を第一に考えるということでした。毎年当たり前に行っている活動や行事も、その時々の環境や状況によっては、生徒を命の危険にさらしてしまう恐れがあることを痛感しました。



さて、今年の夏は、私自身も命の大切さを思い知らされる出来事がありました。1学期終業式で「この夏休みに体重を5kg減らす。」と自信たっぷりに全校生徒に宣言しました。そのため、夏休みに入り、朝、昼、夜と時間があれば歩いて痩せようと一生懸命努力していました。
そんなある日の飲み会の後、いつもなら代行かタクシーで帰るところを、痩せるために歩いて自宅まで行こうとお店を出てしまいました。そして、あまり通ったことのない街灯もなく真っ暗な道を歩いていたら、突然、1m50cm位の深さの用水路に落ちてしまいました。私は、一瞬何が起こったか分からないまま穴の中にいました。気が付くと、両腕は切り傷、擦り傷で血だらけ、左ひざのじん帯を損傷して痛いこと、メガネがなくなり、よく周りが見えないことが分かってきました。
日照りが続き、たまたま水かさが15cmくらいしかなかったので、溺れることはなく、本当に助かりました。穴から何とか這い上がり、財布や携帯、部屋のカギ等を確認し、タクシーを呼ぶか、救急車を呼ぶかかなり悩みました。タクシーでは血で車の中を汚してしまうし、救急車だと校長なのにこんな状況で乗るのは恥ずかしいなどと考え、結局1時間半歩いて自宅に着きました。歩いている道中、何度も何度も「歩いて出たことは本当にバカだった」と猛省し、「もし水かさが多かったら、もし頭でも打っていたら…死んでいたかもしれない」と怖くなりました。身をもって命の大切さを体感したのでした。
命の大切さは常に理解し、分かっているつもりでしたが、ちょっとした油断や過信によって、いつ命を失うかわからないという現実があることを、身に染みて感じました。



学校では、4月から登下校時の自転車乗車マナーについて繰り返し指導してきました。しかし、ヘルメットをかぶらない、ヘルメットの顎ひもをしない、顎ひもの締め方がゆるい、並進するなど、まだ心配される面があります。この程度は大丈夫だろうと気をゆるめず、命を守るために自転車乗車マナーをきちんと守ってもらいたいと思います。
私は、自らの経験を通して、改めて校長としての責任と立場を自覚しました。自分の命はもちろんですが、東中生の命を第一優先に、常に最悪を想定した危機管理意識をもって、職員と一緒に指導していきます。保護者の皆様のご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。


2023年10月25日