さて、今年の夏は、私自身も命の大切さを思い知らされる出来事がありました。1学期終業式で「この夏休みに体重を5kg減らす。」と自信たっぷりに全校生徒に宣言しました。そのため、夏休みに入り、朝、昼、夜と時間があれば歩いて痩せようと一生懸命努力していました。 そんなある日の飲み会の後、いつもなら代行かタクシーで帰るところを、痩せるために歩いて自宅まで行こうとお店を出てしまいました。そして、あまり通ったことのない街灯もなく真っ暗な道を歩いていたら、突然、1m50cm位の深さの用水路に落ちてしまいました。私は、一瞬何が起こったか分からないまま穴の中にいました。気が付くと、両腕は切り傷、擦り傷で血だらけ、左ひざのじん帯を損傷して痛いこと、メガネがなくなり、よく周りが見えないことが分かってきました。 日照りが続き、たまたま水かさが15cmくらいしかなかったので、溺れることはなく、本当に助かりました。穴から何とか這い上がり、財布や携帯、部屋のカギ等を確認し、タクシーを呼ぶか、救急車を呼ぶかかなり悩みました。タクシーでは血で車の中を汚してしまうし、救急車だと校長なのにこんな状況で乗るのは恥ずかしいなどと考え、結局1時間半歩いて自宅に着きました。歩いている道中、何度も何度も「歩いて出たことは本当にバカだった」と猛省し、「もし水かさが多かったら、もし頭でも打っていたら…死んでいたかもしれない」と怖くなりました。身をもって命の大切さを体感したのでした。 命の大切さは常に理解し、分かっているつもりでしたが、ちょっとした油断や過信によって、いつ命を失うかわからないという現実があることを、身に染みて感じました。
|