校長室から__

これからの部活動はどうなるのか?



上越地区大会が各地で行われ、生徒が真剣に頑張っている姿を、たくさん見ることができ、大変感動しました。部活動の素晴らしさを改めて感じました。
令和5年度から、スポーツ庁の提言により、教員の長時間労働の解消のため、部活動の地域移行への取組が本格的に始まろうとしています。この改革により、部活動が果たしてどのようになっていくのでしょうか。

改革に向けの課題は、地域で誰が指導するのか、指導者への謝礼や大会参加費、輸送費など諸経費の保護者負担の増加、行き過ぎた勝利至上主義にならないのか、などいろいろあります。まずは、土日の部活動をいかに地域に移行していくかについて、上越市で検討されていきます。今後、心配される課題をいかに解決していくかが強く求められていくことでしょう。

6月17日の朝日新聞では、部活動の地域移行『教育的意義議論を』という大きな見出しで、部活動に詳しい関西大学の神谷 拓教授が下記のように述べています。(一部抜粋)

「部活動改革は、先生が働きやすい環境づくりと、子供たちにとっての部活動の充実がセットでなければなりません。ところが、今はどちらの軸も見失われています。部活動が教師の超過勤務に支えられてきたことが示すように、子供のスポーツ、文化活動には、お金と人が必要です。それなのに、先生の数を増やすことなく、コストカットを出発点にしており、最初から議論の仕方を間違えていて本質的な矛盾を抱えています。」
「今こそ、部活動で子供たちにどんな力を身に付けられるのか、という大きな議論をしてほしいと思っています。」
 
私は、部活動には、技能向上、礼儀作法、精神修養、ルール順守、チームワークなど様々な教育的意義があると思っています。さらに、大会参加による感動、悔しさ、忍耐、師弟愛、愛校心、涙など子供たちの生涯に役立つ良い経験ができるものと信じています。
 今後は、地域移行に関わり、指導者として保護者の皆様にもご協力いただくことが増えると思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
これから始まる部活動改革が、数十年後、教師にとっても子供たちにとっても、保護者・地域の方にとっても、本当に改革して良かったと思えるような改革になることを切に願うばかりです。






2022年07月03日